エルが死んでからもクロちゃんはよく遊びに来た。
もう吠えられることもない。
あいかわらず太々しい。話しかけても無視。無愛想。
僕たちはクロちゃんが来てくれるの楽しみにするようになった。
エルがいなくなってぽっかり空いた穴を少しだけ埋めてくれた。
(左下の写真はエルが最期に寝ていたベッドとブランケット)
そのうちクロちゃんの姿を見かけなくなった。
半年くらい経って、近所の猫好きさんに消息を聞いてみた。
クロちゃんは大通りで車に跳ねられて死んだと教えられた。
自力で根城にしていた空き家に帰り、庭で息絶えたらしい。
何か可愛いことの一つでもしてくれたわけでもないのに。
何でこんなに哀しいんだろう。寂しいんだろう。
どんな形にせよ、エルが関わった子は思い出深い。
そして、エルとクロちゃんがいたことを懐かしく思う。
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