撮影日時:2007年9月28日金曜日 9:31 エル8才
新しいデジカメで試し撮りをした時の写真。
僕のお気に入りの一枚だ。
雨戸とカーテンで窓を半分隠し、強い日差しを遮っている。
それが功を奏してエルにやさしい光が回り込んでいる。
あるフォトグラファーが「写真とは光と戯れること」と
言っていたが、その意味がやっと分かったような気がした。
撮影日時:2012年10月7日日曜日 8:56 エル13才(闘病5年目)
STAR ELLEのマグカップはエルママ友達からのプレゼント。
エルが寝たきりになって一ヶ月が過ぎた頃の写真。
朝、目が覚める。
もうエルの散歩に行かなくていいんだなと思う。
重労働だった介護散歩はあっという間に終わってしまった。
こんなこといつまで続くんだ、もう限界、いっそのこと寝たきり
の方が楽か、 とぼやいたことを悔やむ。
それから思う。うつむいている顔をあげよう。
エルはまだ生きてるし、今日もやることはいっぱいある。
そう思えるだけで幸せだった。
撮影日時:2012年9月25日火曜日 13:17 エル13才(闘病5年目)
エルは寝たきりという状況を受け入れてすぐ適応していた。
いろいろボディー・ランゲージでアピールする。
お水が飲みたい(舌をペロペロ)、寝返り打たせて(前足バタバタ)、
なでなでして(前足をそろえ身をよじる)、そばに来て(ジーッと見る)、
ウンチ(尻尾をパタン)、 ありがとう(顔をいっぱいなめてくれる)。
膀胱圧迫排尿は難しかったが、二人でコツを習得した。
肛門マッサージでウンチを出した。
撮影日時:2012年10月14日日曜日 12:03 エル13才(闘病5年目)
寝たきりの犬に水を飲ませるのはけっこう難しい。
阿吽の呼吸が必要だ。下手したら誤嚥の恐れもある。
ピュッと水を挿す。
ピチャピチャピチャ。エルが舌をうまく使って飲む。
しばらくはこの方法でうまく行った。
撮影日時:2012年9月17日月曜日 13:05 エル13才(闘病5年目)
シリンジはエルによく似合うオレンジ色を取り寄せた。
小さい方は犬用ポカリを与えるためのもの。
大きい方は固形のご飯が食べられなくなった時の流動食用。
計量カップも取っ手がオレンジのものを選ぶ。
こんな時でも(こんな時だからこそ)色にこだわりたい。
二つともまだ食器棚にあり、見るたびに懐かしく思う。
撮影日時:2012年9月15日土曜日 12:56 エル13才(闘病5年目)
寝たきりのエルは自力で水を飲めない。
犬用ポカリをシリンジで与えることにした。
エルも一生懸命、飲んでいる。
撮影日時:2012年7月28日土曜日 20:32 エル13才(闘病5年目)
エルが命をつないだエルママ特製ご飯の作り方。
いろいろな食材のカロリー、蛋白、脂質、 リンの含有量を調べる。
エクセルでシミュレーションして処方食の成分表に近づける。
ハーブ豚のひき肉、ご飯、ニンジン、かぼちゃ、とうもろこし、キャベツ、
ジャガイモとさつま芋にトマトとゴボウを少々加えてコトコト煮込む。
フードプロセッサーでカレー状にして柔らかめに炊いたご飯にかけ完成。
1〜2日分をまとめて調理し、回数分(1日4回)のお皿に分けて冷蔵。
それをレンジでチンしてから食べさせる。
お腹の調子、血液検査の結果を見ながら使う食材、量は見直した。
豚肉を鶏肉に変えたり、鯖を混ぜたり。日々、カイゼンしていた。
撮影日時:2012年9月22日土曜日 12:34 エル13才(闘病5年目)
寝たきりのエルにご飯をあげる。
エルはこの年の7月中旬に処方食を口にしなくなった。
そこでエルママが奮起。おいしい手作りご飯を作ってくれた。
これはすごい勢いでがっついて完食♪
寝たきりになってもエルママ特製ご飯は喜んで食べてくれた。
撮影日時:2009年7月31日金曜日 21:08 エル10才(闘病3年目)
今日は激しい雨と雷。
洗面所に行くとふわ〜っとエルの匂いがした。
どうやら来ていたらしい。
生前のエルは雷ビビり娘でいつも洗面台の下に逃げ込んだ。
なぜここが安全なのか?はさっぱり分からない。
チャーリー・ヘイデンのベース音が響くCDをかけて雷鳴をごまかし、
僕は洗面台の下でふるえるエルをなでながら安心させたものだ。
明け方まで添い寝したこともある。
撮影日時:2012年9月15日土曜日 12:30 エル13才(闘病5年目)
寝たきりのエルにご飯を食べさせると口の周りがベトベト。
下に敷くきれいな色のランチョンマットを買った。
カラー、リード、コートと同じGeorgeのものだ。
塩ビにコーティングしたものだが、表面が擦れてしまった。
それだけ使い込んだ、ということかな。
撮影日時:2012年9月12日水曜日 14:11 エル13才(闘病5年目)
発作から10日目に撮影。
その間、写真を撮る余裕すらなかったのだろう。
<深夜の病院から帰宅してからの経緯>
発作は断続的に続いた。悲鳴のような声。呼んでも反応なし。
処方された座薬(ダイアップ)を投与すると収まる。
<二日目>
ときどき意識が戻るようになり、僕を目で追う。
瞳にまた光が宿り表情が出てきた。
エルは光のない世界に取り残され怖かったのだろう。
遠くで呼ぶ僕の声をたどり、やっと戻ってきたのだ。
半身を起こせるようになったが、二度と立つことはなかった。
撮影日時:2012年9月2日日曜日 8:59 エル13才(闘病5年目)
この写真の14時間後に発作が始まった。
夜、右前足を突っ張ってもがきヒーン!と悲鳴をあげる。
目をむいて口は半開きで、苦しそうに喘ぐ。
肩に転移した腫瘍が筋層、骨に浸潤したのか。。。
深夜0時に近かったが、辻堂犬猫病院に電話した。
激しい雷雨の中、病院までクルマを飛ばす。
先生「脳転移による意識障害です。お父さんを見ないでしょ?」
確かに。呼んでも反応しない。
いつもなら僕ばかり見てるエルの目は虚空を睨んだままだ。
「突然来るんですね」と僕は消沈して言う。
先生「突然ではありませんよ。 長い間がんばって来ましたから。
もう覚悟してください。治療は捨て緩和に切り替えるべきです」
「分かってます。頭では分かってるんです。
でもね、先生。心がなかなか受け入れてくれないんです」
そう言うと、涙が溢れそうになった。
撮影日時:2012年8月11日土曜日 6:12 エル13才(闘病5年目)
早朝6時。いざ、介助散歩へ。
エルのうれしそうな表情。
脚が動かず痛かっただろうに。
それでも一緒に歩きたかったのだ。
玄関の前には戻った時にエルを寝かせて脚を洗うためのベンチ、
ジョウロ、ハンドソープ、脚を拭くタオルがセットしてある。
映っていないが、日よけ用の大きなパラソルも立ててある。
撮影日時:2012年7月9日月曜日 11:11 エル13才(闘病5年目)
いろいろ考え探した末、コールマンのフォールディングベンチを購入。
エルを寝かせた時にナイロン地の座面がやさしくしなる。
大きさもちょうどいい。
この姿勢のまま足を洗うのでエルは楽ちんだ。
ベンチに寝かせたエルの足を洗いながら夕焼けを見た日々が懐かしい。