10年前の夏。大磯の城山公園で。
ここの蟬しぐれはすごかった。
最初の抗がん剤治療(ブレオマイシン)の最中だがエルは元気。
いろいろな所に遊びに行った。
いつも一緒。そりゃ、嬉しいよね。
僕は長袖だ。この日は8月にしては涼しかったのかな?
夢。
何かミッションがあって高級ブティックホテルに行く。
僕なんか場違いでつまみ出されそうな場所だ。
裕福そうな客と話しをしながら紛れて入る。
レセプションをやり過ごし左奥のラウンジに行く。
ソファーに腰掛け、人を待っているふりをした。
すると、なんど!向こうからエルが歩いて来る。
エルは僕を見つけると嬉しそうにまっしぐらに駆けて来た。
走ると耳がブンブン、蜂の羽のように上下する。
どうしたの〜エル、お耳が蜂みたいだったよ、とエルを抱く。
さて、どうやって出よう。
エルに盲導犬のふりはできないし黄色いハーネスもない。
あいにく僕もサングラスは持っていなかった。
赤いカラーとリードを持って目立たないようホテルを脱出。
車寄せからホテルの敷地に出た所にリヤカーがあった。
焼き芋がいっぱい積んである。
エルは目ざとく見つけ、そこから動かなくなった。
僕は焼き芋を2個買って、冷ましながらエルに食べさせた。
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