エルの夢を見た。
エルは水入れからシャグシャグと音を立てて水を飲んでいる。
それから僕に背中をぴったりくっつけて臥せした。
エルの体重と体温と毛並みと息づかいを感じる。
至福の時間だ。
目が覚めてからもその余韻が残っていた。
日記に合う写真をとエルが若い頃のライブラリーを探してみた。
未使用の写真がいっぱいあり、懐かしく思う。
今日は6月4日。
11年前の6月4日。最後にエルを辻堂犬猫病院に連れて行った日だ。
血液検査のスコアは壊滅状態で新たな転移も発覚した。
貧血もひどい。
これからどうするか、先生と話し合った。
その3日後、不注意からエルの大腿骨骨折を招いてしまう。
エルの症状は悪化。6月29日に旅立った。
紫陽花の季節は切なく、心がざわつく。それでも懐かしい。